元・慢性疲労症候群患者の回復日記

治療体験記/節約情報

扁桃膿栓症は抗生物質では治らない。

慢性疲労症候群の患者さんは咽頭痛で病院に行った際

抗生剤を出されたケースが多いのではないでしょうか?

 

扁桃膿栓症の場合、抗生剤は効かないそうです。

なぜなら悪さをしている膿栓は物理的に除去するほかないからです。

 

膿栓が詰まったまま、

抗生物質を投与しても何も変わらない。

それどころか悪さをする膿栓はつまったままなので

抗生剤投与後も悪さをし続ける。

という状態が微熱を引き起こしているんだと先生は教えてくれました。

 

私の主治医はその当時94歳、

かなり独自のスタイルを貫いていた方なんだと思います。

かなり現在の医療に不満点があったようで私にいろんなお話をしてくださいました。

特に戦後になり抗生物質さえ投与しておけばどうにかなるという

考え方に否定的なようでした。

耳鼻科医は外科治療してこそ!と熱く語っていらっしゃいました。

 

先生は当時ホームページを開設されていて

(今は閉鎖されました)

その内容を保管してありますので

一部転載します。

 

勝田耳鼻科のホームページより一部転載

 

厚生省による慢性疲労症候群の診断基準は

耳鼻科医として、鼻咽腔(上咽頭)や扁桃の慢性炎症をつよく疑うに足るものである。

私の報告例も、総合病院の耳鼻咽喉科診療を二か所で受けていた。

しかし、綿棒による鼻咽腔(上咽頭)への薬液塗布による診断法と治療は行われず、

圧迫テストによる陰窩(いんか)からの膿汁や膿栓の排出状況の検査もされなかったという。

耳鼻科医は額帯鏡またはヘッドランプを着けるので、両手が自由に利用できる状態である。

懐中電灯と舌圧子で両手がふさがるため、扁桃の圧迫テストはもちろん鼻咽腔(上咽頭)への薬液塗布も正確には出来ない内科医と、耳鼻科医が同列の診療に甘んずるのでは、無能というか怠慢というか、はなはだ遺憾というほかない。

 

 

 

という感じで、慢性疲労症候群と上咽頭炎、膿栓症についての

関係性に踏み込む一方で、圧迫テストもBスポットもしない医者に

怒りを感じていらっしゃるのが文面からみてもわかるかと思います。

そのくらい「現在の耳鼻科医が見落としがち」な病態なんだよ、

ということなんだと思います。

 

私は実際に手術を受けてCFSが治ったので

当時すごく感動して

「先生、これってすごいことですよ!

いっぱいCFSで苦しんでいる患者さんがいるのでみんな喜びますよ!

論文を書いて発表したりしないんですか?」

と聞いたことがありますが

「論文ねぇ~書こうと思えば書けるんだけどなぁ…

今までも書いていたけどあまり注目を集めることもできなかったから

治療記録を本にして出版したら多くの人に読んでもらえるかな、

と思って治療記録は全部残してあるんだけど

もうそれをまとめる元気はないよ、年だから・・・

論文とか本とかを書くのはすごい労力だから、

そんなことやるくらいなら目の前の患者さんを治療したほうがいいんだよね」

っておっしゃっていたんです。

 

でもご自分で扁桃病巣感染の患者をかなりの人数治療してきたことには

かなり自信を持っていらっしゃいました。

「こんな簡単な手術で治っちゃうんだから、患者さんもすごく喜ぶし、

お金もそんなにかからないし

入院もしなくて済むし

いいことだらけなんだよねぇ…

なんでこういうの、いまの大学生活に教えないのかなぁ。

患者さんは喜ばれるから皆に知ってほしいんだけど。

ホントもったいないよねぇ」

と毎回毎回おっしゃっていました。

 

そんな先生の治療法を

このままほおっておいていいのかな、

「治療を受けた患者目線の言葉」として残しておいたほうがいいのではないかなと

思いブログを再開しました。

「ネットで治療記録を公開してもいいですか?」と先生にお聞きしたら

「どんどんやってちょうだい!」とのことでしたので・・・笑

 

でもこれを書き記すのはすごく難しいです。

そもそも膿栓なんてあって当たり前、

膿栓があっても悪さなんてしないよ

悪さしたとしても口臭がするくらい。

と考えている医師が多いそうなんです。

だから患者さんが「膿栓があるから扁桃腺の治療をしてください」

といったところで、理解されないことが多いそうです。

それに扁桃摘出はリスクもある、

膿栓がでたぐらいで扁桃摘出に踏み切る医者は少ないらしい。

 

ですので、理解されずらい病態であることは割り切ったうえで

これからも記事を書きます。

 

先生がお書きになった論文「扁桃凝固手術と慢性疲労症候群

も私の手元にあります。

先生にお願いしてコピーさせてもらいました。

いつか誰かの役に立たないだろうか?と心から願っています。

 

膿栓があり、扁桃凝固手術または扁桃摘出手術を受けて

CFSが改善したという方がもしいらっしゃったら

病院名を教えていただけると幸いです。

私が治療を受けた勝田耳鼻科は現在閉院されており、

同じような治療を受けられる病院を知らないので

もし同じような状況・病態で頼れる病院がありましたら

皆さんと情報を共有したいと思っています。

 

どうぞよろしくお願いします。

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