どんな人に扁桃凝固手術は向いているの?
私の主治医だった志井田守先生のHP(現在閉鎖)より一部抜粋します。
・単純な炎症性肥大扁桃→凝固手術を適用
・埋没性の小さい扁桃→摘出手術を適用
とありました。
見た目が大きく膨らんで肥大している扁桃に凝固手術を適用していたようです。
私は右側の扁桃を凝固手術してもらったのですが
まさに、右側の扁桃だけが大きくてぷっくりと膨れ上がっていました!
やはり肥大している側の扁桃腺は怪しいんでしょうね。
みなさんの扁桃はどうでしょうか?
鏡で左右見比べてみてください。
私の先生は扁桃の形を見極めたうえで凝固手術が向く扁桃であれば
凝固をすすめるといった形でした。
(凝固のほうがメリットがたくさんあるため)
ただ、形によっては最初っから摘出を勧めていたようです。
手術希望の方は主治医の判断にお任せするのが一番良いと思います。
まずは圧迫テストで膿栓の有無を確認してもらい
適応であれば手術へという流れになると思いますが
まず、その圧迫テストをやってくれる医師がなかなかいないらしいんですよね…
その辺は読者さんの口コミによって今後情報共有できれば良いかなと考えています。
ちなみに舌圧子で自分で扁桃を圧迫して膿栓を出すことは
可能です。
扁桃腺の構造、陰窩の位置を把握した上で圧迫します。
木製の軸でできている綿棒のほうが私は好きです。
軸が曲がらないし先端は綿棒なので滑らず傷つかずやりやすいです。
どちらにせよ毎日練習しないとうまくできませんし
嘔吐反射がつきものです。(これに関しては別途記事にします)
手元にある先生の論文内容は、素人にはいまいちよくわかりませんので
かいつまんで凝固術に関する内容を転載します。
扁桃凝固術について
・習慣性扁桃炎、扁桃炎重積症、病巣感染扁桃(例えば掌蹠膿疱症)、
膿汁の貯留する陰窩を持つ扁桃、反復性周囲膿瘍、高度肥大などが適応
・膿栓の貯留→咽頭異物感を主訴とする例に多くみられた
・膿汁が多量に出る例→頸肩部痛、項部不快感などの訴え、不定愁訴があった
・扁桃の凝固手術の歴史は古いらしく
1962年(昭和37年)!から報告があったらしい。
(逆に今はこの治療法は途絶えてしまった)
報告を総括すると
・術前術後の出血がない
・高齢者にも施行できる
・術後の疼痛が少ない
・構音障害を残さない
・再感染が起きづらい
・日帰りの手術ができる
・術後の陰窩の閉鎖が起こらずむしろ陰窩は解放され再感染が起きづらい
・機能が改善した扁桃が残るので成人の扁摘例にみられる炎症時の上咽頭の過敏状態を避け得る
(扁桃摘出した場合に慢性上咽頭炎の後遺症が残ることがあるらしいです。凝固だとそれが起こらない)
などが凝固手術の利点とされる。
また、
・電気凝固は不完全な観血手術で残遺した部分を強制する場合に最適な手段となる
(扁桃摘出術でとりのこしが生じた際に凝固術が適用される、ということらしい)
・扁桃の免疫機能的構造は炎症扁桃であっても、虫垂炎における切除手術のように無用有害なものとして簡単に摘出してはならない
など、基本的には扁桃摘出はもったいない!とのお考えだったようです。
私にも何回も何回もおっしゃってました。
「扁桃腺を切っちゃうのはもったいないよ!
扁桃腺は番犬なんだ。
ウィルスや細菌が入ってきたときに、矢面に戦ってくれる番犬は大切にしなきゃあね」
と。
私が唯一触れたい凝固のデメリットは
・複数回焼かないといけない場合もある!
ということです。
私は計5回凝固(うち2回は同時に切開も)だったので
焼いて→治って→また焼いて→治って の繰り返しで
それがつらかった~。
でももちろん治してよかったですけどね。
凝固術は一回焼いて、様子をみて先生にOKもらえば1回で終了するらしいです。
私は再度膿栓がたまってしまい5回も焼く羽目に(^_^;)
先生からすれば
「すこしずつ様子を見ながら手術できるからいいんだよ~」
とのことでしたが、なにげにしんどかったです。
ですからこれは患者目線から見たデメリットとして
私が触れておきたかったのです。
凝固に関する資料がまだありますので
また時間がありましたら記事を書いてみます。
どうぞ皆さんの体調が一日でも早く回復しますように。